3巻は格段に面白くなってる。主人公で駆け出し冒険者のベル・クラネルは、特殊ステイタスによって脅威の成長をみせる。その存在にねじれた惚れ込みをした女神フレイアは様々な画策をたくらみ、ベルは何度となく修羅場と遭遇することに。
いろんな女性キャラから好意を持たれていて、徐々にハーレム包囲網がしかれつつあるベルの、この一定の距離感は恋愛ものが苦手な自分には心地いいし、格段の成長をとげるベルが仲間のために必死の健闘を見せて命を賭けるバトルシーンも凄みがある。格段の成長が伏線となっているのもうまい。これをベルが一番懸想しているアイズ・ヴァレンシュタインが直々に特訓するというのも自然な流れで、やっぱりうまい。
そのアイズの存在にやきもきするヘスティアの心情も見てて楽しいんだけど、「豊穣の女主人」で働いてて、毎日ベルに弁当を渡すシルが適当な扱いのままで、これはどうするんだろ。
美人でずば抜けた剣技の持ち主であるアイズは、頭のなかでいろいろ思考するのが苦手というかできないタイプの天然キャラ。言葉使いも無骨というか慣れていなくて、美貌はあるけどただの戦闘バカなのかもしれない。美人のわりに、周囲の反応描写がないので判断に困る。ギルドで働くエイナが、辞めるかもしれないと呟いた時の周囲の男性陣の動揺ぶりは冴え渡ってる。
いやしかし、迷宮の10階層まで辿り着いているベルがいまだにレベル1というのがよく理解できない。俊敏とか器用さなどの各能力値は目をみはるほどに上昇しているのだけど、この作品におけるレベルの概念設定がいまだによくわからない
にしても、ベルがここまで急成長して、他の上級の冒険者たちが驚く部分とか、底知れない強さを秘めててなかなかにいい。これからどこまで巻数をのばすのか空恐ろしい楽しみがある。