ネクラ少女は黒魔法で恋をする(3)

「ネクラ少女は黒魔法で恋をする(3)」熊谷雅人 イラスト・えれっと(MF文庫J2006年)


 アスガルズという組織の特派員となった毒舌女子の空口真帆。クラスに不幸少女の宮脇弥生が転校してくる。時を同じくして、この付近で悪魔を検知したという。真帆は捜査に乗り出すが。

 このシリーズの売りである真帆の毒舌ぶりがマイルドなものになっており、ますます少女の青春小説という部分が色濃くなってきた。

 真帆の男子に対する態度とか心中でなにを考えているのかが、こういう少女小説を読み慣れていない自分には新鮮だった。

 いつも冷静な憧れの一之瀬先輩の過去が少し露見したりしつつ、入部した演劇部の度胸をつけるための歌を第三者のいるところで歌って落ち込む真帆だったりして、それなりに日常生活をなんとかこなしている描写がありつつ、悪魔とのそこそこの激突やらなにやらいろいろ。

 この作品はいつ打ち切られてもいい感じに毎回話が終わるので、最終巻でも、真帆はみんなと同じ距離感のままで演劇部とか学校生活を続けていく、みたいに終わりそう。