パンツァーポリス1935

「パンツァーポリス1935」川上稔 イラスト・しろー大野(電撃文庫1997年)

 精霊石という物質を利用した精霊式機関で発達したパラレル世界。舞台は1920年の伯林(ベルリン)。ロケットの開発で失敗して宇宙に飛び出してしまって、月の衛星軌道上で死亡したパイロットではじまる序章。そこから息子のヴィクターが大気圏を離脱できる飛行戦闘艦のカイザーブルクを開発。ドイツ軍に捕まってあれこれされて、博士のパウルがカイザーブルクで助けにやってきて逃走。マイアーという20歳の女を巻き込んで、カイザーブルクに唯一立ち向かえるフランメンリッターを操るマイアーとの対決をのぞむ。

 わりとストレートな活劇もので気軽に読めた。定番のドッグファイト的なものや、ヴィクターの軽口やらマイアーが自分の目的を見つけて行動をはじめるなどあれこれありつつ、宇宙をからめるというのがおおまかな筋。気軽に読めるのだけど、今誰が喋っているのかが中盤まで理解するのが大変だった。終盤は上達していて読みやすかった。