ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」大森藤ノ 絵・ヤスダスズヒト(GA文庫2013年)

 ダンジョンものかと思ったら、そんなにダンジョンは重要ではなかった。むしろ、主人公のベル・クラネルが所属するファミリアの、神様であるロリ巨乳のヘスティアがベルにべた惚れで、だけどベルにしてみれば神様なので、恐れおおくて恋愛対象にする以前の問題で、常に一線を引いている、というほうが主題の様子。あと、未熟者のベルは、なぜか根拠のないモテ要素がある主人公補正を備えている。

 作中では、ドワーフやエルフにコボルドミノタウロスなど定番の既製キャラが出てきて、さらには英語に現代用語のスラングなんかが出てきて、少し違和感はあったか。でも、こういうものだと思えばそんなに気にならない。

 神様たちがどうして人間界に存在するようになったのか。退屈になった神様は人間にちょっかいをかける娯楽を見い出し、能力をほとんど制限されながらも人間界に降臨。モンスターを倒せる恩恵を人間に授けるかわりに神様の運営するファミリアの構成員になってもらって養ってもらうとか、ファミリアの規模を大きくするといった様々な形態があって、どこか会社運営にも似たこの要素が自分的にツボだった。うまく伸びてくれると嬉しい。

 物語はベルの心情語りパートと、全体の状況を客観した三人称パートを使い分けているんだけど、どうもこの切り替えというかベルの語りにどうしても慣れなくて話に没頭できなかった。個人的には三人称でお願いしたいところ。

 それにしても、おっぱいわしづかみイラストはエロすぎるだろ。