空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法

「空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法」小飼弾(East Press Business2009年)

 読書が面白くなりはじめたという読書初心者向けなのだろうか。一日の読書量が常人をはるかにこえる小飼弾による読書のススメ本。

 クソ本を見ぬく方法やエロ本に官能小説は商品として優れているとか、本は中古で安く買えなど、出版社からすると心穏やかではない内容が多い。あと、内容が薄いです。

 著者が読書に関して思いついたことをかたっぱしからあげていった感が否めないというか、どこか一貫性がなく、チグハグとした印象がぬぐえない。ひとつの話題が終わるともう別の話題に次から次へと転じていくので、話の整理をするのがちょっと大変だった。あと、表紙から作中の無機質なイラストやデザインなどに妙に赤色を多用しているけれど、作者のイメージカラーなんだろうか。

 本の中で著者は新書が最高と発言しているわりに、この本はDVDのパッケージサイズで、どうしてこうなった。

 なにはともあれ、中学校に通うのがバカバカしくなった著者は、母親の許可のもと登校を断絶して図書館通いをするようになったという破天荒な人生を歩んでいる。幼少期から抜群の記憶力をもっていたらしく、語学習得もやすやすとこなすなど天才の片鱗を見せている。一度、著者の半生記か生い立ちなど、じっくり書かれたものを読んでみたい。