ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2」大森藤ノ イラスト・ヤスダスズヒト(GA文庫2013年)

 ダンジョンで定番RPGものの2巻目。今回はダンジョンでの戦闘シーンがそこそこ多めで、荷物持ちを専門にしているサポーターのリリルカ・アーデを雇いれることで、迷宮の情報を教えてもらったり、戦闘に集中できたりとさらなる成長をして読んでてわくわくする。

 サポーターという設定もよく練られてて面白いし、各種ステイタスが急速に成長するベルのチート具合も読んでて気持ちいい。

 ベルはさらにモテ属性が上がったのか、女神さまたちにもみくちゃにされたり、年上のギルドのエイナもベルのことを意識したりとハーレム展開してる。酒場「豊穣の女主人」で働くシルもその一人で。毎日弁当をベルに渡したりしてるけど、物語的にシルの扱いがぞんざいで泣ける。で、そのシルなんだけど、他人の物を勝手にベルに渡すくだりは、読んでて腹黒キャラなのかと思ったり思わなかったり。

 そんな明るいテンションなんだけど陰湿な面もあって、酒づくりが趣味のソーマ神の、そのファミリアの運営の仕方が辛辣で、そのファミリアに属するリリルカも影響されて、物語が暗いネガティブな展開になってる。感動的なカタルシスのためもあるのだろうけど、なんでそっちにもっていくのかと。

 1巻からすごく気になってることがあって、ベルを大事に大切に思う面々がいながらも、なんで単独でダンジョンに行かせるのかと。ほかの駆け出しの冒険者とパーティを組ませるとかあるだろうに。