グーグル秘録

「グーグル秘録」ケン・オーレッタ 土方奈美訳(文藝春秋2010年)

 検索エンジンのグーグルの創業から軌道に乗って、いくつもの会社を買収し、急成長で巨額の売り上げを記録しながらも、それは多くのメディアから仕事を奪うことと同義で類似会社を路頭に迷わせる結果となる。

 創業者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの二人は、最初は自分たちの仕事がどういうビジネスになるかもわからず、ただ闇雲にウェブページとリンクを保存していき、検索エンジンを公開。やがて、自分たちの仕事は広告業だと気づき、またたく間に巨大企業へ。ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの二人がケンカや言い合いをする風景は特に見られず、グーグルの最初期はテレビ出演などをしていたが、途中からは身を隠すようにシャットアウトするようになったとか。

 経営戦略については無関心な様子の創業者たちがいて、投資家たちがあれこれ経営者を世話してやってようやくシュミットという人物がやってきて、広告業が軌道にのりはじめると、新聞やテレビなどのメディアを飲み込む勢いとなり、バッシングも頻繁におこなわれるようになる。そしてユーチューブの買収によって、映像の違法投稿がありつつも、それが視聴率をあげる要因にもなってしまう結果もありつつ、和解するなどあって、様々な人物や業種が紹介され、マイクロソフトとヤフーとの関係もありつつ、現在進行形として淡々と終わる。

 作中に写真が一枚もないので、数多く登場する人物を把握するのが困難で早々に記憶するのを放棄。読んでてすごくしんどかった。とにかく文章が頭にはいってこないというか、まるで面白みがないというか。

 なにかこう、物語的な構成を期待していたんだけど、そういう構成になっていないので退屈だったか。取材した事実を淡々と著述しただけという感じでまいった。