大酒飲みでひょうひょうとした黒髪の乙女がいて、その乙女に恋心を抱いたストーカ先輩がいて、京都の先斗(ぽんと)町を主な舞台に、奇人変人奇妙な怪人たちと出会い、酒飲み勝負をしたり闇鍋したり、大学の学園祭をまたにかけたゲリラ演劇を繰り広げたりしながら、物語は先輩の比喩妄想擬人化された喋りと黒髪の乙女のそれぞれの語りで進んでいく。
森見登美彦による京都を主な舞台とした独特な世界観と、登場人物による奇想天外な語りは個性的で、いまだに読書慣れしていない自分にとってしんどい作家だったのだけど、最近になって読書スキルが上がったところもあって、やっと攻略できるようになった。
以前は本当に散々な読み方をしてて、正直すまなかったと思う。作者の頭を踏んづけて謝罪したい心もちで、今後も読書に励みたいと思う。