ネクラ少女は黒魔法で恋をする2

「ネクラ少女は黒魔法で恋をする2」熊谷雅人 イラスト・えれっと(MF文庫J2006年)

 1巻をとばして2巻から読んだ。

 空口真帆(そらぐちまほ)は黒魔法が趣味で特技の高校二年生という設定で、1巻で黒魔法を使ったことで、真帆を含めた関係者各位は記憶を消されたらしい。

 2年生になって同級生の女子と軽く雑談をするけど、ネクラらしく、内心ではいろいろと毒舌というキャラ設定らしいけど、ものすごく普通というか、そんなに尖った性格ではないかも。むしろ、演劇部に思い切って入部して憧れの先輩に近づこうとするところは前向きだし、髪型をアップに変えたりと行動的で、いろいろと前向きで好感がもてる自然体の女子という印象。

 不良でふてくされてて、でもそれなりにイケメンの新入生男子に積極的なアプローチをされて満更でもないヒロイン。憧れの先輩が無個性で面白みがないので、人間臭いこの後輩の男子生徒との仲を後押ししてしまう。

 ええと、タイトルにある黒魔法をほとんど使わないというか、作中では2回しか使わないし、それも大きなネズミらしきものを召喚するだけというもので、黒魔法らしさはあまりなく、どちらかといえば学園青春もの。

 真帆を含めて、登場人物に嫌味を感じないのだけど、エピソードが大味というか、しょぼんとした感じなのがちょっと残念。運命に巻き込まれるタイプの話で、解決方法もわりと行き当たりばったりで乗り越える障害としてもハードルが低いので、それほど盛り上がらないのが残念。

 真帆のイラストがカラーとモノクロともにかわいくて好みの絵柄。