宇宙犬ハッチー

「宇宙犬ハッチー 銀河から来た友だち」かわせひろし 絵・杉田比呂美(岩崎書店2013年)

 なにかの流れでマンガ家さんのツイッターを見たらジュニア冒険小説大賞というのを受賞されたとかで、よく転身できたなと唸って手にとった。

 銀河系を逃走中のリド・ビーダ人を追跡してきたコイケルホンド人のブラニン捜査官と助手の「ヴェニヴルホラハレン・ソーマルニンフラン八・一世と6/5」だったけど、機雷によって乗っていた宇宙船が損傷し、地球に不時着。ブラニン捜査官は負傷して治療中。助手の通称ハッチーが見知らぬ惑星(地球)を探索し、小学生の友樹と出会う。

 テクニカルタームというかSF作品に慣れてないと読むのがしんどいかなと思いつつも、それは最初だけで、あとは友樹の知識レベルに合わせたものになって、犯人のリド・ビーダ人を捜索してブラジルまで2時間で行くとかそこそこSFしてる。

 犯人が何者なのかとか遭遇したらどうするのかと思ったらノープランだよ。

 作中で登場する科学レベルは、現在の地球のテクノロジを流用したものになっていて、鳥の死肉を食べるというカルチャーショックは定番のものだし、神経作用やら日本との時差があるというのもちょっと調べればすぐにわかることで、それほど練りこまれているわけでもなく。

 でも、友樹の両親や妹の優以が喋るハッチーをあっさり受け入れるところが脳天気というかちょっと愉快。