ネクラ少女は黒魔法で恋をする(5)

「ネクラ少女は黒魔法で恋をする(5)」熊谷雅人 イラスト・えれっと(MF文庫J2007年)

 シリーズ最終巻。亡くなったサユキ先輩を蘇生させるという生徒会長の吉野。真帆の憧れる一之瀬先輩などを巻き込んで、死者蘇生がおこなわれることに。

 一巻からずっと引っ張ってきた亡き渋谷サユキ先輩のことにようやく決着。真帆も内気な性格を克服したのか前向きになって、さわやかなラストだった。最初は目を引かれた真帆の毒舌は随分とマイルドになって、黒魔法が趣味という点が異質だけれども、それ以外は憧れの先輩に思いを募らせるフツーの女子という具合で、さわやかな恋愛&青春小説という形で終わった。

 最後の真帆のさわやかな笑顔のイラストとかかわいいので、余韻もほんわかしていた。真帆と妹の夏樹とのやりとりが出てくる度に、毎回いい雰囲気を味わわせてもらった。