エスケヱプ・スピヰド(2)

「エスケヱプ・スピヰド(2)」九岡望 イラスト・吟(電撃文庫2012年)

 皆のいた尽天(じんてん)を離れて帝都の東京にやってきた叶葉と鬼虫(きちゅう)の九曜。二人は、巨体の護衛機械兵である菊丸と蓮宮鴇子(はすのみやときこ)と出会う。

 記憶のない鴇子は第三皇女であるけれど、それにしては無銭飲食をしまくっていてお迎えもなしとか理解不能な行動をしている。叶葉によって騒ぎを起こしたところをくまなく回って頭を下げてきっちり弁償して、飲食店の捨家(すてや)で働かせてもらって和気あいあいとしていて、所帯じみた生活風景は好み。

 一巻であった独特な用語が減り、時代劇風な文体っぽいか。どことなく秋山瑞人の「龍盤七朝」やら「攻殻機動隊」に「剣客商売」とかその他のいろいろな作品を連想してしまった。

 この作品シリーズのウリである戦闘シーンなんだけど、どうも相性が悪いのか自分にはイメージしづらくて読むのに難儀した。

 うーん、今回の2巻はなんというか、鴇子がメインのようで、叶葉と九曜は脇役な感じであった。